ペルーのムンディアル銀行が教育支援のために2500万ドルをペルー政府に融資しました。
これは、ペルーの経済発展に伴い、労働力の質を高める目的のための融資です。
ペルーの経済発展は、統計にもあらわれており、2010年から2011年の経済成長率は5.7%でした。
しかし、経済格差を表すジニ係数では0.48%を示しています。
これは経済格差が格段と広がっていることを表しています。
経済格差が大きくなり、1980年代のペルーはテロ活動によって、政治や経済だけではなく教育現場も
破壊されました。90年代にテロを撲滅して、2000年から、ようやく経済復興が始まりました。
しかし、80年代、90年代の教育の遅れが労働力の質の低下につながっているという見方をする人もいます。
今回の融資は、65の国が参加して行われた国際学力テストでペルーの子どもたちが最も低いレベルのクラスだったことも影響しています。
知識を詰め込むだけではなく、忍耐や自発性、責任感なども教えるために
幼少期からの教育にも力を入れていくそうです。
同銀行のホームページには、今回のプロジェクトについて映像で紹介してあります。
その中で、幼児たちの目の前にお菓子のマシュマロを置いて、「先生が戻ってくるまで食べてはいけない、もし食べてなければ、ご褒美にもう一つあげるから」と言って部屋を出ていくシーンがありました。
以前、クマモト保育園の給食の時間にミラグロス園長先生が、「私が戻ってくるまで給食を食べてはだめだよ」と言って教室を出ていきました。ミラグロス先生が教室の外で2、3分待って中に入ると園児たちがじっと待っていました。
先生は、それを褒めて、そして、みんなで食事を始めました。
当時はなぜ、そういうことをするのか意味がわかりませんでした。
しかし、この映像を見て、忍耐力を教えるためにああいうことをやったことがわかりました。
ペルーの幼児教育の方法の一つで、先生たちは夏休みなどの長期休暇に幼児教育の研修に行くと言っていましたが、研修の成果を実践しているわけです。
給食施設を作ることを考えたときは、園児たちの食事のことだけを考えていましたが、
実際に給食施設ができて運用を始めると、いろんな広がりを見せてくれて食を通しての教育がどれだけ
大切かを逆に学ばせてもらったような感じがします。「食育」の大切さを日々感じています。
ムンディアル銀行のホームページ
http://www.bancomundial.org/es/news/feature/2013/02/14/educacion-basica-de-calidad-para-mejorar-futuro-de-peruanos