働き者のロバ

ペルーでは、人を馬鹿にして言うときに、ブーロ(ロバ)と言います。
怠け者やちょっと頭の回転が鈍い人をさしてよく聞く陰口です。

ところが、田舎に行くと写真のように、ロバは人間のためによく働いています。
本当はすごい働き者のロバたちです。
性格もおだやかです。
ペルーの地方都市は首都リマ市以上に貧富の差が激しい状況です。
一見のどかな風景ですが、この町には病院がありません。
小さな診療所はありますが、先生は週に2回しか来ません。
薬も足りません。
重病人や怪我人が出ると200キロぐらい離れたところの病院に
誰かが持っている町に数台しかない小型トラックで、
悪路を飛ばして連れていかなければなりません。
ロバはこの町にいなくてはならない貴重な労働力です。
しかし、ロバがいる限り、医者はこの町には来ません。
ロバがいなくなって、農民が自動車やトラクターなどを使用するようになれば
収入も増えて、医療も教育も充実するでしょう。

日本では、乳幼児の死亡はほとんど見かけることはありません。
しかし、この町では子どもや年寄が具合が悪くなると神様に祈る以外仕方がありません。
2008年にアミスタでは、この町に救急車を寄贈しました。
これで、病院に運ぶまでの応急処置と安静に搬送することが出来ると、大変喜ばれました。
しかし、この町の根本的な問題が解決されたわけではありません。

アミスタでは引き続きこのような問題を解決できるように努力を重ねて行きたいと思っています。

 

 

2013.1.14 ロバ5

こちらから他の写真も見ることができます。

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